富沢家住宅(とみざわけじゅうたく)

(指)国指定重要文化財(昭和45年6月17日指定)
(在)吾妻郡中之条町大道
(有)宮沢清

 富沢家住宅は、桁行13間、梁間7間、2階建、 萱葺入母屋造・前兜造屋根の大型民家である。 建造年代の手掛りになる1790(寛政2)年と 1792〈寛政4)年の祈祷札が附(つけたり)指定である。こ の民家は、北毛地方の養蚕農家の典型と考えら れてきたが、1976〜1977(昭和51〜52)年度の 保存修理により、経済的背景がより詳細になっ た。修理中に枕屏風の下張り等から発見された 古文書のうち年代の記されたものが184点に及び、 越後や信州の米・塩・魚類、上州の木材・木炭・ 繭などの運送や売買に関するものが多数含まれ ていた。構造的にもダイドコロと呼ぶ土間が建 坪の半分以上に及ぶ広大なもので、ウマヤが4 室設けられている。個々のウマヤは農耕馬用の ものより小型で、運送用駄馬のためのものであ り、広い土間で荷駄の梱包や解梱作業が行われ たのである。上手の3室続きの畳敷の室はオモ テノデエ・ナカノデエ・ジョウダンと呼ばれ、 ジョウダンには付書院・床(とこ)・棚を持ち、名主の 家としての体裁を備えている。