重そう(炭酸水素ナトリウム)とク工ン酸を混ぜあわせたもの(以後は発ぽう剤とよびます)は、水に入れると、反応をおこして炭酸ガスを発生します。その炭酸ガスの力を使って飛ぶロケットを作りましょう。
 

  1 発ぽう剤をつくろう。


 

重そうとクエン酸を同じ量だけフィルムケースに入れます。
 

 
ふたをしっかりしめて、よく振ってまぜます。
 

 
完成!
 本当に完成したかどうか確認してみましょう。ひとつかみ口に入れてみて下さい。ジュワーっと、あわがはっせいしたでしょう。これが、炭酸ガスです。このまま押しかためると家にもってかえることができます。ロケットを飛ばすのには、かためないほうがよいでしょう。
 

  2 ロケットの作り方

           
 

  3 ロケットを飛ばす方法


 

発ぼう剤をロケットのなかにいれる。
 

 
水をいれる。
 

 
ふたをしっかりしめて、ロケットからはなれて、まつ!(あわててのぞきこむとあぶない)そして、はっしゃ!
 

説明 炭酸ガスロケットを飛ばそう

  1 ねらい

 

 発泡入洛剤や清涼飲料水など、炭酸ガス(二酸化炭素)を水中で発生させる効果を利用した製品が多くあります。また、パンなどをふっくらとさせる方法としても、古くから利用されてきました。これらは、重曹(炭酸水素ナトリウム)を分解した結果として、炭酸ガスが生じる化学変化です。本教材は、この化学反応を利用して、密閉した容
器の中で、炭酸ガスを大量に発生させ、その時の圧力でロケットを飛ばす遊びです。この遊びを通して、化学変化に触れ、その不思議さやおもしろ
さに気付くことができます。
 

  2 準備物の規格

 

(1)重曹とクエン酸について
 重曹(炭酸水素ナトリウム)とクエン酸は、粉末ソーダとしても口にできるように、食品添加物として、薬局やスーパーマーケット(クエン酸はない)に置いているものがよい。また、クエン酸の代わりに、アスコルビン酸(合成ビタミンC)やコハク酸、フマル酸、などでも同様な発泡剤ができる。
 

 
(2)フィルムケースについて
 フィルムの空いたケースは、2種類の形がある。(図の@、A参照)このうち、密閉されやすいAの形の方が、この教材に向いている。
 

 
(3)ロケットの先端と羽について
 厚紙を利用しましたが、そのはかに、先端には、うずらの卵の空きパックを、羽については牛乳パックなどが利用できる。
 

  3 作り方と遊び方及び注意事項

 

(1)発泡剤を作る
 重曹、クエン酸を、それぞれ5gづつ計って、フィルムケースにいれ、よく振って混ぜ合わせる。
○重曹とクエン酸は、よく混ぜ合わせられるように、あらかじめ、それぞれを別の乳鉢ですりつぶしておく。
○化学変化であることがわかりやすいように、重曹やクエン酸だけでは、水に入れてもガスが発生しないことを、子どもたちに確認させるとよい。
○重曹とクエン酸は同量づつまぜればよいのだが、フィルムケースの大きさからすると5gづつ、合計10gくらいしか入れられない。
○完成した発泡剤は、押し固めたり、少量の無水エタノールで練るなどすると、かたまりとして持ち帰えらせることができる。また、水との反応を、若干鋭くすることができる。
○発泡剤は、空気中の湿気により、発泡を始めてしまうことがある。完成後は、できるだけ、ふたをしておくようにする。
◎ソーダ水をつくる。(準備物:発泡剤、さとう、コップ、水)
 ちょうど良い甘さの砂糖水をコップに作る。次に、発泡剤を入れて(10g〜20g)完成です。
 

 
(2)ロケットを作る
@フィルムケースの底を上にして本体として使う。
 

 
A厚紙を切って、先端と羽を作る。
 先端は、半径4cmの半円から作くる。フィルムケースの直径にあわせて、のりしろを増減させて、両面テープで固定する。
 

 
 羽は、たて2cm、よこ6〜8cm位とし、子どもの好みにより、形や枚数を決めさせる。
両面テープで本体に固定する。
 

 
B色や柄、絵を自由につけて完成。
 

 
(3)炭酸ガスロケットの飛ばし方
@発泡剤を入れる。
 フィルムケースに5〜7mmの探さまで、発泡剤を入れる。
A水を入れる。(飛ばす場所に行ってから)
 ふたを片手にもって、すぐにふたができるようにしてから、水を1cmの深さくらいまで、手早く入れる。すぐにぶたをして発射場所におく。
Bロケットから離れる。
 ロケットを発射場所に置いたら、離れた場所で(3mくらい)発射を待つ。このとき、すぐに発射することもあるが数分かかることもある。確実にフィルムケース内の気圧は上がっているので、子どもがのぞき込まないように注意する。もし、発射しなかったときは
 指導者が安全と思われる方法で回収する。また、同時に数個のロケットを発射するときには間隔を十分にとり、安全に留意して行う。
 

 
○ゲームをしよう。
 発射台を工夫して、的当てゲームや飛行距離を競うゲームをすると楽しい。斜めに発射できる台を、木材などを利用して作る。針金などで作ったガイドを固定する。ロケットにストローを付けてガイドに通すことによって飛行方向を安定させることができる
 

  4 資料

 

(1)重曹
 重曹は重炭酸ソーダの略。炭酸水素ナトリウムである。NaHCO3の化合物。270℃以上に熱すると、分解して炭酸ナトリウムとなり、二酸化炭素を発生するので、パンや菓子を作るときのベーキングパウダーとして使う。
 

 
(2)クエン酸
 レモン、ミカンなどの果物に多量に含まれている酸で、一分子の中にカルポン酸3つと水酸化基を1つ含んでいる。血液凝固を抑制するので、医療目的で使われることもある。細胞の代謝のうえで大切な化合物である。
 

 
(3)化学変化
 炭酸水素ナトリウムと酸を混ぜて水に溶かすと二酸化炭素を発生する。この教材ではこの反応を利用している。
 本来、炭酸水素ナトリウムは、加熱によって、炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素の分解される。
 しかし、助剤(酸性剤)と混ぜあわせることにより、常温でも確実に、大量の二酸化炭素を発生させられる。助剤としてクエン酸を用いた場合、塩として、クエン酸ナトリウムができる。
 

  6 参考文献

 

岩波科学辞典
岩波書店

お菓子「こつ」の科学
柴田書店