1.織物の織り方の基本
 織物組織:織物は糸をたて(経)とよこ(緯)に組み合わせて、一定の規則によって上下交錯させて作ります。織物の長さの方向の糸をたて(経)糸、幅方向の糸をよこ(緯)糸と言います。平行に配列した経糸の間に、緯糸を直角に交錯させることを組織と言います。
 全ての組織は、平織り、綾織り、朱子(しゅす)織りの3種類が基礎となっていて、これを三原組織(さんげんそしき)と呼びます。

[平織り](図1)
 1本ごとに浮き沈みした組織で、経糸と緯糸が交互に交錯してしているので簡単な組織で、丈夫で腰のある布になります。
平織りの写真
図1 平織り
[綾織り](図2)
 浮き沈みした組織点が連続的に斜めの方向 に走る綾目を作ります。平織りに比べて組織点が少ないために、軟らかく、皺になりにくいのが特徴です。
綾織りの写真
図2 綾織り
[朱子(しゅす)織り](図3)
 組織の表面が経糸か緯糸だけで覆(おお)われているように見える組織です。手触りが柔らかく、光沢が強いのが特徴です。

朱子織り
図3 朱子織り

2.桐生織の製造工程
 生糸が多くの次のような工程をへて、美しい絹織物になります。
 撚糸(ねんし)工程で生糸は撚(よ)り合わされて、強い絹糸になります。強く撚糸した生糸は「ちりめん」に使われます。
 撚糸された絹糸を精練、染色されて多様な美しい色の絹糸します。
 絹糸を綛糸(かせいと)の形状からボビンに巻き取られた状態にします
 経糸(たていと)の本数、幅を決めて織機の綜絖(そうこう)や筬(おさ)を通して織機に絹糸を張ります。この作業を整経(せいけい)と言います。
 意匠紙という方眼紙に図案を描きます。この意匠図(デザイン)に従って紋紙(もんがみ)に穴をあけてジャカード機の作動データーを作ります。最近は紋紙に代わって、コンピューターでデジタル信号として保存され、ジャカード装置に指示を出します
 織機はデーターに従ってジャカード装置が経糸(たていと)が開口し、そこに種々の色に染められた緯糸(よこいと)が織り込まれます。桐生織物の最も重要な工程がこの部分で、ここには桐生織りの7つの技法が駆使されて、美しい紋様を持った織物ができてきます。

   桐生織りの製造工程

   1.生糸
   2.撚糸
   3.精練・染色
   4.糸繰り
   5.整経
   6.管巻き
   7.図案.意匠
   8.デザイン・編集
   9.紋紙製作
  10.ジャカード・機織 
  11.整理
  12.整理
  13.仕上げ  
  14.製品・出荷


3.ジャカード織機

 ジャカード織機とはフランス人のジョセフ・マリエ・ジャカールが1806年に考案した織機です。経糸(たていと)を1本ずつコントロールして開口することができ、ここに横糸を織り込みます。いろとりどりの変化のある紋様のある織物を織り出すことができます。
 経糸(たていと)をコントロールする装置が「ジャカード機」でこの装置に紋様のデーターを入れるのには、データーに基づいて穴が開けられた紋紙が使われました。最近はコンピューターから紋様データー指示が出されるようになってきました。


ジャカード織機の図
図4.ジャカード織機
4.図案・意匠(デザイン)

 紋織りの図案を用紙に描きます。図案が描けたら、ジャカード機の綜絖(そうろう)運動データーのために意匠紙という方眼紙に図案を描き移します。意匠図に従って、意匠データーを紋紙に穴が開けて情報を保存します。

 最近は紋紙ではなくフロッピーディスクに保存され、コンピューターを介して、ジャカード機に綜絖指令が出されます。

 [紋紙と絹布](図5)
 写真は方眼紙書かれた図案と、実際に織りあげられた絹布です。(桐生市、江雅織物にて)
意匠紙(右)と織り上げられた絹布
図5. 意匠紙(右)と織り上げられた絹布(左)

5.桐生織7つの技法

  桐生織は7つの技法が使われた複雑で豪華な紋様のある絹織物です。
   (1)お召織(おめしおり)
   (2)緯錦織(よこにしきおり)
   (3)経錦織(たてにしきおり)
   (4)風通織(ふうつうおり)
   (5)浮経織(うきたており)
   (6)経絣紋織り(たてかすりもんおり)
   (7)綟り織(もじりおり)
  

[桐生織の帯2本](図6)
 2本の桐生織の帯です。
 桐生織りの技法が生かされて、豪華さが引き立っています。(桐生市、江雅織物にて)


[桐生織布地](図7)
 細かな紋様まで精巧に織られている桐生織の布地です。 (桐生市、江雅織物にて)

桐生織の帯2本
図6 桐生織の帯2本
桐生織り布地の図
図7 桐生織布地


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